一つは哀しみのため。二つは歓びのため。カササギの刺青を体に入れた変わり者の貴族と、異形の力を遣う能力者と。英国を舞台にした黒くて淫靡なオカルトファンタジー。

カササギの王

KJ・チャールズ

翻訳/鴬谷祐実 装画/yoco
The Magpie Lord(KJ Charles)

上海から英国へ戻る気などなかったが、父と兄の謎の死によって伯爵位を告ぐことになり、クレーンは英国の地を踏む。だが突然に死の願望に強烈に取り憑かれ、藁をもつかむ思いで異能の人間に救いを求める。現れたのはステーヴン・デイ。明らかにクレーンの家、ヴォードリー家を心から憎んでいた。クレーン自身もそこは似たようなものだったが、この男に自分の命を預けてもいいのだろうか。
だが、今夜も死の誘いは強く、抗えないほど彼を引きずりこみ…。

ためし読み

捕らわれの心

KJ・チャールズ

翻訳/鴬谷祐実 装画/yoco
A Case of Possession(KJ Charles)

思わぬ形で爵位を相続したが、クレーンはこのロンドンが忌々しくてたまらない。すぐにでも上海に帰る船に乗りたい―愛しいスティーヴンさえいなければ。
そのスティーヴンとはあまり会えていなかった。
審犯者は忙しい。だがその恋人から救いを求める声が届いた。貧困街で巨大な化けネズミが関係する事件が起きているのだという。異様な事件の連続には、中国のシャーマンが関係しているのだろうか?

ためし読み

カササギの飛翔

KJ・チャールズ

翻訳/鴬谷祐実 装画/yoco
Flight of Magpies(KJ Charles)

任務に忙殺されるスティーヴンとすれ違うクレーン。ともにいたいと願いながら、自分の立ち位置に不確かさを感じるスティーヴン。
そんなある夜、カササギ王の指輪が屋敷から盗まれる。そしてクレーンの命が狙われ、二人に選択を迫る。シリーズ最終巻。作者サイトの短編「五つは天国のため」なども収録。

ためし読み