前科者でへらず口のラッキー、折り目正しく礼儀正しい薬剤師のボー。正反対の二人が違法な薬剤の流れを追って潜入捜査を行なう。
麻薬だけでなく鎮痛剤など現代アメリカのかかえる薬物問題も描かれた作品。

還流(ドラッグ・チェイス1)

エデン・ウィンターズ

翻訳/冬斗亜紀 装画/高山しのぶ
Diversion(Eden Winters)

ラッキーは前科者だ。薬物違法取引の10年の刑を軽減してもらうかわりに、政府の薬物捜査組織で働いている。誰よりも経験があり、腕があり、鼻持ちならない一匹狼、それが彼だ。
刑期の終わり、そして政府との契約切れまであと少し。彼の後釜にとつれてこられたルーキーはおカタい薬剤師ボー。見事なケツだけは評価してもいいが、つまらないカタブツ。ラッキーはボーをこき使い、仕事を叩きこみつつ嫌がらせをする。
どうせ自由の身になれば長くは生きていられない、薬物組織のボスを裁判で売ったのだ。その前の最後のお仕事、ついでに最後の一発と洒落込みたい。
だが、ボーの真面目さと気遣いにさすがにラッキーもなんだかほだされはじめ…

ためし読み