
アンヒンジ
オンリー・ジェイムス
翻訳/冬斗亜紀 装画/市ヶ谷モル
まだ子供の時に父親を殺されたノアは、何年もかけてついに犯人を追いつめ、銃をつきつける。相手は有名な大富豪マルヴァニー家の末息子、アダム。
だが再会によって封じていた記憶がよみがえったノアは、自分がおぞましい犯罪の犠牲者だったことを思い出す。あの時父が死んで、救われたのはノアだった。救いだなんて思えないけれど。
アダムはノアに強烈な思いを抱いていた。執着か、それとも恋か。だが彼はサイコパスだ。後悔も罪悪感もなく、愛も感じない。誰かを愛せるわけがない。なのに心はノアに引き寄せられていく。
彼らをつなぐのは恋か。それとも血塗られたトラウマと執着と独占欲か。どれでもいいのかもしれない、ただアダムにわかっていれば。ノアを失うくらいなら世界を壊してやると。