あらすじ
19世紀、ナポレオン戦争ただ中のイギリス。海軍士官ルパート・ユースタス・マードックはイギリス海軍きっての曰く付きの艦コランタン号に着任した。コランタンでは不思議なことばかり。カンペール伯救出の命を受け、敵地フランスへ向かったコランタンを待っていたのは、ナポレオンの腹心であるベシャール大佐の罠。窮地に陥り、戦いの中ルパートは海の中に落ちてしまう。水の底で見たのは、不思議な都と、一人そこで暮らすアンリという少年だった。迷うアンリを説得して陽のあたる現実の世界につれて帰ってきたルパートは、子供だったアンリがまたたく間に青年へと姿が変わるのを目撃する。彼こそが、捜していたカンペール伯爵その人だったのだ。「不思議なことなんかない」そう言っていたルパートも、コランタンで出会ういくつもの不思議の前に考えを変えざるえないが、なんの力も持たない自分がなぜコランタンの乗組員として選ばれたのか不思議に思う。
ロンドンに帰還したコランタン号だが、伯父のもとに身を寄せたはずのアンリが姿を消した。再びアンリを探すルパートは、夜のロンドン橋で美しい女性と出会い、前後不覚になっていつのまにかテムズ川に落ちてしまう。そのルパートを助けたのは、アンリの友達で、下町っ子のベッツィとアルジュンだった。アルジュンはインドの出身で、彼の父親は東インド会社に奪われた「ガンガーの封じ玉」という秘宝を追ってイギリスにやって来たのだった。アルジュンはその玉を盗み出そうとしてアンリと出会い、アンリはそれを持って伯父の家を飛び出したのだ。折しもドクトル・カロンというメスマー主義者が「動物磁気」によって人々を癒し、ロンドンの街を解放しようと暗躍していた。彼の狙いは「ロンドン橋を壊す」ことであり、実はその裏ではベシャール大佐が彼を操っていた。ルパートが橋の上で出会った女性は、遠い昔、人柱として捧げられて以来ロンドン橋を守り続けた「レディ・リー」で、ベシャール大佐は彼女の守護を打ち壊し、ロンドンの破壊を目論んでいた。だが、アンリとルパートの活躍で、レディ・リーは解放される。しかし玉はまんまとベシャール大佐の手に渡ってしまった……!! ベシャール大佐の乗るパンドラ号を追いかけるコランタン号は、ひとまず、赤道直下のアフリカ大陸、シエラレオネ付近を南下して上陸することに。上陸したマードックたちの前に、若く美しい首長と村の人々が現れる。水と食料を補給するため、歓迎されてはいないその村に、しばし留まることになるマードックたちだが、トラブルが発生。ウィタード中尉が妖術師であるという疑いをかけられてしまう。しかも、実は彼らが仲間内では英語で話しているのを目撃してしまい、ルパート、アンリ、アルジュン、マートンの四人は、首長に捕まってしまう。この村の人々は、実は逃亡奴隷だったのだ…!!
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